国際農産物市場と日本農業の国境調整 2
後者が経済の発展に応じて各国の産業構成、主要輸出国、貿易品目構成をたえずダイナミックに変化させてきているのに対して、農産物貿易の場合にはそうした変化は微弱であり、輸出国・輸出品目とも比較的安定しています。
そうしたなかで、一般に工業製品と比べた場合の農産物貿易の特徴として指摘されるのは次の諸点です。
第一に、世界の農業総生産量に占める農産物貿易の比率が、概していちじるしく低いことです。
主要農産物について生産量に占める輸出量の割合をみたものがあります。
品目によっても異なりますが、これを見ると、比較的輸出比率の高い大豆・小麦で2~3割、大麦・とうもろこし・オレンジなどでは1割強、牛肉・豚肉・米にいたっては僅か数%でしかないことがわかります。
そのことは、逆にいえばこれら食料農産物の圧倒的部分は国内自給にすぎないことを物語っています。
食料農産物はまず国内消費を優先させ、それをみたしたうえで残りの部分が輸出にあてられるという構造となっているのです。
それは食料が生活必需品である以上、当然のことです。