深海底の第三の生命圏 2
ところが、アルビン号が潜ったところは、大ちがい。
・・・まるで深海底のオアシスのような場所でした。
そこはいってみれば、太平洋海底のさけ目のような所で、プレート・テクトニクス理論によれば、海底からプレートが湧き上ってくるような部分・・・
さけ目の各処から熱水と呼ばれる高い温度の鉱液が・まるで噴水のように噴出しています。
熱水の温度は350度Cにも達していて、地上へ出てくれば、ガス状になる筈のものが、深海の高い水圧(300気圧)で押えられて、液状のまま沸騰し、いろいろな鉱物や元素を溶かしこんだ状態で海水に交じり合うのです。
熱水は海水に冷やされるため、さまざまな鉱物が出ています。
本来ならば3度Cから4度Cという冷たい海水が、そこではかなり暖められ、海水も熱水中の元素と反応して、栄義豊富な状態となっています。
こうして3000メートルの深海底に、陸上、水中と2つの生物圏とはまったく異った、第三の生物のライフ・サイクルが構成されているのです。
アルビン号が海底で撮影した写真には、2・5メートルの長大なパイプの中に住んでいる正体不明の紐のような生物(おそらく巨大な紐虫かミミズに近いもの)、殻の長さが20センチもあるニ枚貝、毛虫のような環形動物、カニ、クラゲ、インギンチャク・・・
そしてソコダラに似た魚などが、熱水噴出口の周囲にうじゃうじゃ棲息しているのが確認されました。